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君の「かわいい」が世界のすべて

by ほしゆき

「あれっ、髪切ったの!?」

春、土曜日、浅草駅。

20cm以上切った髪を見て、彼は目を丸くした。

「ふふ、びっくりしたー?」

「いやびっくりするよ!切ったなんて一言も言ってなかったじゃん!」

だって驚かせたかったんだよ。

そう言ってイタズラに笑えば、彼は躊躇することなく「めっちゃかわいいじゃん。好き。」と、私の髪をやさしくすくった。

彼の愛情はどこまでも素直だ。

手を繋いで、散り始めた桜の下ではしゃいでみせる。桜の下にいる女の子は、どんなあざとい仕草をしてもイノセンスだって、君の彼女はすでに知っている。

白いワンピースの裾を元気に揺らして、降ってくる花びらを小走りで追いかけた。

「おいー、すぐ転ぶんだから気をつけろよ!」

パッと離された手に、彼は少しの寂しさをのせてそう声をかける

「大丈夫〜!」

わたし、そんな簡単に転んだりしないよ。君と一緒にいるとき以外はね。

「あっ、みてみて!」

「ん?」

「ほら、川の向こうのカップル、キスしてる」

「うお、ほんとだ(笑)」

「ねえねえ、」

「ん?

…お前髪に花びらついてるよ」

前髪の上に乗ったひとひらの桜をつまんで、ちょっとバカにしたように笑う君の顔には「俺の彼女はかわいい」って書いてある。

感情漏れてるよ?って、気付いてるけど知らんぷりした。そのほうが「俺のかわいい彼女」っぽいでしょ?

「ねえねえ、私たちもチューしとく?」

「…ばか(笑)」

桜の花びら追いかけるフリして、君を独り占めできる場所を確保したなんて

一生気付いてくれなくていいよ。

素直すぎる君の愛に、わたしはずっとほだされていたい。

あとがき✒︎

花盛りの桜並木を散歩したいなぁと思いながら、

シャッフルで流れてきたaikoの曲を聴いて描いたストーリー。(なんの曲か当てられる人とはきっと親友になれる)

バスのなかで、ばーーっと15分くらいで書いたから、駄文でごめんね(笑)ちょっとでも楽しめたら幸いです〜。

言い訳をたくさんつくれる季節は、恋をするのにふさわしい。胸焼けするくらいに見せつけ合って、甘くて優しい桜のせいにして、陽だまりのなかで手を繋ぐ春は最高だ。

愛されるために小悪魔になるなら、

世界はもう君のもの!

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